もの置き場

日々の妄想とかを雑にまとめたブログです。 初めての方はaboutページをご一読お願い致します。

一次創作/未完②

前回の続き物となっております

 

4月28日

学校帰りに妹を小学校の学童へと迎えに行く。親が共働きのため、これは中学の頃から私の日課だ。高校を電車通学のところにしなくてよかった、なんて思いながら道を急ぐ。

 


「篠ちゃんっ! 」
妹が私を見つけるなり笑顔で駆け寄ってくる。 私は学童の先生方に挨拶をしつつ、妹の荷物を受け取って歩きだす。
「笹、今日は学校どうだった? 」
「今日はねー九九のテストがあって、笹ちゃんスラスラ言えたよ! 」
「たくさん練習してたもんね。じゃあ今日の夕飯は明の好きなもの作ろうか」
「やったー!あ、明日友達おうちに呼んでいい?」
「笹の学童のあとなら大丈夫だよ。 学童にいる子?」
「うん!えっとね、明ちゃんって子だよ。明ちゃんの電話番号ももらったから、あとから電話していい? 」
「うん、お姉ちゃんもその後で明ちゃんの親御さんとお話させてね」
「わかった!」
「じゃあ、今日と明日のお夕飯の材料買って帰ろうか」

 


会話に一区切りついたところで、丁度最寄りのスーパーマーケットに着いた。さっさと食材を買って帰ろうと、カゴを持ち野菜売り場に向かうと笹が走り出した。
「笹?」
「明ちゃんいた!」  
歩いて笹を追いかけると、笹と同じくらいの女の子とそのお母さんと思われる人が並んで歩いていた。
「明ちゃん!」
笹が呼ぶと、女の子とそのお母さんがこちらを見た。
「あ、笹ちゃん!」
明ちゃんと呼ばれた女の子が嬉しそうに手を振る。
「こんにちは」
明ちゃんの母に会釈され、こちらも会釈を返す。
笹と明ちゃんは一緒に明日の計画を練っているようだった。
「明が明日笹ちゃんのお家に行くってすごい嬉しそうで…ご迷惑じゃありませんか?」
「はい、私の学校の関係で笹の学童のあとになりますが、こちらは全然問題ないですよ。よろしかったら夕食も食べていってください。人数多いほうのが笹が喜びますので」
「いいんですか?じゃあお言葉に甘えて」
「やったー!!笹ちゃんとご飯!!」
「やったね明ちゃん!」

 


いろいろと話が進み、最終的にお互いの連絡先を交換しスーパーマーケットを出た。
「楽しみだね、お姉ちゃん!」
興奮で汗をかいている笹にハンカチを渡しながら、そうだねと答える。

 


普段私も親もあまりかまってやれないから、笹には我慢をさせている。明日は笹が楽しめるように少し頑張ろう。そんなことを考えながら家に入った。